- 子供の自由と不審者 -
 
                             長野県理容生活衛生同業組合
                             佐久支部野沢地区  細萱太士
 
 理容組合でも、− 理容こども110番の店 − とし、子供がいつでも駆け込めるように活動をしていますが、未だ、助けを求められた事はありません。
最近に限らず、この文を読んでいるの方々もメディアを通じ、下校途中の小学生を殴ったとか、切り傷を負わされたなどは耳にしている事と存じますが、同じ子供をもつ親の一人として「どうにかしたい。」とは思うものの実際には何も出来ないのが現実です。

そんななか先日、長野県佐久警察署・南部交番の巡査が、お店に顔を出した。

「先程、不審者の目撃通報があったので、巡回しています。
不審者を見かけましたらご連絡ください。」と、名刺を出し帰って行った。
…不審者と言われても、どこまでが不審者で、どこからが一般の人なのかの判断も出来ない…

その翌日にニュースを聞いていると、隣の市の方で、「○○市で通学途中の小学5年生の男子児童が見知らぬ男に突然襲われ、顔を殴られてケガをしました。」
などと聞き、翌日になって、一本の電話がかかってきた。クラスの男の子からだった。
「これから遊びに行っても良いですか?」話を聞くと、子供がクラスの友達と遊ぶ約束をしてきたから困ってしまった。
この日は仕事もあり、母親も手を放せない状態だし、とりあえず、上に書いた事を説明したが、子ども自身は納得いくわけもなく、更に参ってしまった。自分自身、遊びたい気持ちが解らない事ではないので、どうにかしてあげたいが、遊びと安全を天秤にかけると安全を選んでしまうのは、親になったからこそのの気持ちだと思う。
その気持ちを押し付けられた子供が納得するはずもないのも事実。
皆さんは、こんな状態になった時はどう対処しているのであろうか聞きたい気持ちにもなってくる。

自分たちが子供の頃は、学校帰りの道草・帰宅後の遊び全てが自由で、人様に迷惑をかけない限り「暗くなる前に帰ってきなさい。」で良かった事を覚えている。それに比べ現代の子供達は、集団下校・公園で遊ぶにも保護者の付き添いが必要であったりと、まるで自由がないのが現実。
親の管理下で遊ぶのも、きっと子供達は気を使いながら遊んでいると思う。そんななかでは、更にストレスがたまるのではないかと…
また、そうしたストレスが、やがて思いがけない行動になるきっかけになってしまうのではないかと、感じてしまう…

前の話に戻りますが、お店の前は公園があり、色々な人を見かける。
昼間からビールを飲んでいる人。
木陰のベンチで朝から夕方まで寝ている人。
エアガンをそのまま持ち歩いている学生。
目の前の公園に公衆トイレがあるのに、家にトイレを借りに来る人。

自分以外は全てが不審者に見えてくるから不思議である。
最近では、色々な事件があるので、妖しいと思った人をお店の中からデジカメで撮るように心がけている。
が…こんな行動をしている自分も他人から見れば、立派な不審者に見えるのではないだろうか?

解決の見えない事件に頭を悩ます人は多いと思う。

 
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No.1 支部長挨拶 No.2 鎌倉と大佛  No.3 子供の自由と不審者  No.4 私のダイエット作戦
No.5 執念